30代半ばにしてお金の有難みを識(し)る

恥ずかしい話だけど、今思えば、お金の有難みなんてサラリーマン時代はちっとも分かっていなかったように思う。

お客様から契約をいただくには「営業マンの信用」が大事だと何度も叩き込まれたけれど、私の人柄以前に「会社の信用」、「営業を行う場所の信用」がとても大きな効果になっていた。

何十万円という高額の契約を毎月何件もいただいて、それがお仕事として給料がもらえていたわけだけど、実際にお客様から直接お金を受け取ることはなかった。毎回、見積書を作成するだけ。歩合制でもないから、成果報酬もほとんど感じない。

会社での責任さえ果たせればそれなりにやり繰りできる安定したお金が振り込まれるのだから、今考えれば

安定した生活で、のんびりしてて平凡だったなぁなんて思ってしまう。

自己満足感が得られれば幸せである。

自営業とは全く違う。

すべてが自分に課せられる。

やった分もやらなかった分も、すべてが自分に返ってくる。

一人でこの仕事をはじめて、

他ではない「私の行うリンパマッサージ」にお金を使ってくれることが本当に嬉しい。

お客様との距離も近くなり日ごろの私生活などが見えてくると、もっと色々と想像できるようになって、なんだか一生の一部を託されたような深い気持ちにもなる。

それがたった１回の来店でも。たった何千円でも！

有難い。

どうしたものか…　すべてが愛おしくてたまらない。

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